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Denis Wick Straight Mutes
材質による、ストレートミュートの音色の違い
ヨーロッパの名門、ロンドン・シンフォニー・オーケストラの首席奏者を30年以上つとめた往年の名手、デニス・ウィックが、豊富な経験を活かして設計を手掛けた4種類のストレートミュート。その材質による特徴を、吹奏楽やオーケストラ、アンサンブルなどでも多忙にご活躍中の人気トランペット奏者、佐藤秀徳氏のコメントを交えて紹介します。
DW5504 アルミニウム製ストレートミュート 伝統的なミュートの音。“ビーン”という金属的な音色が特長です。トゥッティでFFで鳴らすときは、断然こちら! 鋭く、金属的でよく通る音色が特徴で、トゥッティでの大音量の中でも存在感のある音作りが可能。比較的重量が軽く、装着したままでの演奏にも楽器のバランスや腕への負担が少ないミュートです。 |
佐藤秀徳氏の評価 「アルミ製のストレートミュートはすごくメジャーで、学校でも使うことが多いですね!私も持っています。 〈デニス・ウィック〉の4つのストレートミュートの中でも一番軽く、輝かしい音がして、華やかに鳴ってくれます。重量も軽めで、反応が良いのも特長です。 クラシック、ポップスと、様々なジャンルで使用でき、吹奏楽でも一番映えるミュートです。」 製品番号:DW5504 価格(税抜):8,000円(2019年5月現在) |
DW5504B ブラスエンド(真鍮/アルミ)ストレートミュート 真鍮はアルミよりも重たい金属で、まとまりのある、少し柔らかい響きになります。 ミュートの底の部分がアルミニウムより比重の重い真鍮製となっており、アルミ製のミュートよりソフトでブライトな音色が特徴。高音域の木管楽器などにも音色がブレンドしやすく、真鍮の反応がよくアタックが明確になる為、音の輪郭がはっきりと表現し易いミュートです。 |
佐藤秀徳氏の評価 「今回の試奏で、個人的には一番気に入りました! 音が広がるアルミ製よりも音に縁取りがされ、<キュッと>まとまります。音が飛ぶ方向が(前方に)定まり、音の通る道筋をミュートが作ってくれる感じですね。金属的な音色を持ちながら、アルミ製よりも落ち着いた、柔らかい音(表現)も作れます。 クラシックでも、ポップスでも、ジャンルを問わず使えるミュートです。」 製品番号:DW5504B 価格(税抜):11,000円(2019年5月現在) |
DW5504C コパーエンド(銅/アルミ)ストレートミュート 銅は真鍮よりも柔らかい金属で、真鍮よりもさらに丸い響きになります。 ミュートの底の部分が、真鍮よりもさらに比重の重い銅を多く含む、コパーエンドが装着されたミュート。ややダークで柔らかく、深い音色が特徴。アルミニウム部分は軽量である為、音色に対してミュート本体の重量は最小限となっています。低音域とのアンサンブルやソフトなメロディーに効果を発揮します。 |
佐藤秀徳氏の評価 「実際に私が所属するオーケストラでも、ミュートはコパー製で揃えています。 手に取った時に少し重量を感じ、ブラスエンドよりも更に落ち着いた、銅特有の丸みがあり柔らかい音色が特長です。吹きこんでも音が散らかることがなく、響きも、上にパッと明るく広がらずに、落ち着いていますが、それでいて金属的な響きも保つことができます。 ストレートミュートの音は必要だけれど、あまり出すぎるのも良くない時や、低音を出す時にも適しています。クラシック音楽や、オーケストラで活躍するタイプですね。」 「ミュートを付けると一般的にピッチが上がりがちなため、音程の調整が必要になるケースがあります。アルミニウム製のミュートで音程に苦労している人たちは、コパーミュートで問題が解消されるケースもあるのでお薦めです。とは言え、デニス・ウィックのストレートミュートは、どの材質でも音程が変わりません。特に、金属製のストレートミュートは幅広く使用できる万能なミュートです。」 製品番号:DW5504C 価格(税抜):11,000円(2019年5月現在) |
DW5551 木製ストレートミュート 金属製の音とは違う、“コーン”という響きがします。メロディックなソロなどの時にいかがですか? 金属的な響きとは異なり、ストレートミュートの直進性は残しながらもソリスティックで優しい響きが特徴。息抜けがよくオープン時と比較的違和感のない吹奏感で演奏が可能です。 |
佐藤秀徳氏の評価 「柔らかい音が出ますね。吹きこんでも、そんなにバシッとした音は出ません。譜面に『mute、p』と書いてある時などに適しています。 現代ではミュートは弱音器ではなく、音色を変えるために使用することが多いのですが、木製のミュートは弱音器としての機能が高く、さらにこのミュートは音程も変わらないので、演奏がラクですね。例えばラヴェルの「ボレロ」冒頭部分など、オーケストラでソロを吹く場合に適しており、トランペット奏者なら誰もが探しているタイプの、弱音で吹けるミュートです。ただし、吹奏楽の部活や人数が多い合奏の場合、効果的に使えるのはかなり限られた部分になりそうです。小さいアンサンブルや、弦楽器、木管楽器と合わせる時に活躍するでしょう。」 製品番号:DW5551 価格(税抜):11,500円(2019年5月現在) |
佐藤秀徳(さとう・しゅうとく)氏プロフィール
福島県郡山市出身。東京藝術大学卒業。 Theater Orchestra Tokyo(K-Ballet Company)首席奏者。横浜シンフォニエッタ、東京金管五重奏団などに所属。アンサンブル・ノマドレギュラーゲスト。 1999年よりライヴパフォーマンスグループ「チャンチキトルネエド」(2013年活動休止)のメンバーとして海外公演や全国ツアーに参加し各方面から高い評価を得る。 2013年NHK連続テレビ小説「あまちゃん」、2019年大河ドラマ「いだてん」などをはじめとする劇伴音楽、CM、アーティストサポートなどの録音にも多く参加している。大友良英スペシャルビッグバンドメンバー。 クラシックからジャズ、ポップスなど幅広いフィールドで演奏しており、独自の世界観でトランペットやアンサンブルの新しい魅力を作り出している。 ALM RECORDSより、ギターとのデュオBarchettaのファーストアルバムをリリース予定(2019年夏) 故郷福島県では、ソリストとして多くの音楽団体と共演するほか、後進の指導にも力を入れている。2010年に福島県出身のトランペット奏者3人とピアニストで結成したQuartet Made in Fukushimaでは、県内をはじめ東京・福岡での公演、CDリリースのほか、2017年にはNHK-FM「リサイタル・ノヴァ」に出演し好評を博した。 |